「ねぇねぇ、今日の同窓会桜ノ宮レオも来るらしいよ。」

「え?それ本当なの?」

桜ノ宮レオ…その名前にドキッと胸が高鳴った。

彼は、国民的アイドルグループ〈flower〉のエース。

国内で彼を知らない人は、いない。

彼は、5年前まで私たちと同じ高校に通っていたが、高校卒業後、上京して以来同窓会に一度も来たことがなかった。

「レオが同窓会に来るなんて驚いたわ。愛!会えて嬉しい?」

「なんでそんなこと聞くの?」

「え?だって高校のとき付き合ってたじゃん?」

「みなちゃん!誰が聞いてるか分かんないだから!」

「あ〜ごめんごめん。」

そう。私一ノ瀬愛は、高校時代、桜ノ宮レオと付き合っていた。

彼が状況後も付き合ってたいたが、彼が人気になるにつれ、会える時間が少なくなり、すれ違うようになった。

そして私たちは別れたのだった。

そんな彼と会うのは、4年ぶりだ。

「よ!愛じゃん?今日レオも来るってよ。」

話しかけてきたのは、高校時代レオと仲良かった田中聡太。

「聞いたよ。」

「お前ら、付き合ってたじゃん?」

「昔の話だよ。」

「そうか…でもレオもお前に会いたがってたぞ。」

え。レオが私に会いたがってる?何故?

あんなにスーパースターになった彼が私に会いたい訳がないと思っていたのに、聡太のその一言で私は、胸が高鳴った。

「お〜レオ!こっちこっち!」

彼が会場に到着した瞬間、会場に光が差したような気がした。

「よ!国民的スター!」

「おい!やめろよ。聡太。」

到着した瞬間、彼の周りは、すぐに囲まれてしまって話しかけることができなかった。

本当にスターになったんだなぁと嬉しいような悲しいような気持ちに包まれた。

「レオ!今彼女いるの?」

遠くのテーブルで女の子とレオが話している声が聞こえてきた。

「いないよ。俺は、皆んなのアイドルだからさ。」

「お前、寒いぞ。」

「ごめんって。聡太。」

「コイツ、4年前の失恋引きずってるからさ?」

え?4年前の失恋って私?…

いやいや、私と別れた後に付き合った人かもしれないしね。

ずっと彼が座ってるテーブルを見つめていると、彼と目が合ってしまった。

私は、慌てて目を逸らした。

そうすると、彼が私の横に座ってきた。

「愛、久しぶり!元気だった?」

「うん。レオこそ元気だった?」

「うん。」

「なんか毎日テレビで見てるから久しぶりな気がしないなぁ〜」

「え?テレビ見てくれてるの?」

「うん。テレビいっぱいでてるんだもん。」

「そうだよね。」

ある程度会話が終わり、気まずさで死にそうだった。

そんな中、彼が突然こんなことを言い出した。

「俺、愛に会いたくて今日ここに来たんだ。」

「え?なんで?」

「実は、4年前のことずっと後悔してた。あの時は、俺も仕事で必死で…」

「いやいや、いいの、もう4年前のことだし。時効でしょ?」

「いや、俺は、ずっと愛のことを考えてた。だからもし今付き合ってる人がいないんだったら、もう一度俺と付き合ってほしい。」

彼は、真剣な眼差しで私を見つめていた。

「付き合ってる人は、いないけど…レオは、アイドルで私とは住む世界が違うっていうか。」

「俺は、愛がいないと頑張れないんだ。」

「でも周りに綺麗な人たくさんいるのに、私なんて…」

「俺は、この世で1番愛が綺麗だよ。」

彼の真っ直ぐな言葉に涙が止まらなかった。

「俺と付き合ってくれる?」

「もちろん。」

私はまだ夢の中にいるのかもしれないと思うほど幸せを感じた。