*夜桜の約束?* ―再春―

「あ……えと、な、凪徒さん……」

 初めて口にする凪徒の名に、モモの声は少しうわずってしまう。

「ま、『さん』付けでもいいか。……好きだよ、桃瀬……くくっ」

「先輩?」

 再び現れる凪徒の隠しきれない笑い。

「モモに『セ』が付くだけで随分雰囲気変わんのな……ぷっ」

「先輩~!」

「だから~『凪徒』だって!」

「な、凪徒、さん……」

「桃、瀬……くっくっく──」

 ──先輩って、もしかして……ツンデレの『デレ』が出ると、笑い上戸(じょうご)になる?

 モモは目の前で腹を抱えて苦しむ凪徒に呆然とした。

「せっ、先輩ってば!」

「だからぁ『ナ・ギ・ト』!」

「な、ぎと、さん……」

「ももせ……ぷぷぷっ」

「先輩~~~!!」





 さて……この二人にれっきとした『愛の(いとな)み』が訪れますかは──皆様のご想像にお任せ致します♡