そこまで話を聞いて私はしゃがみこんでしまった。
「ごめん、暗かったよな」
って言いながら私の背中をさすってくれる。

私以上に苦しかったはずなのに、私はコンプレックスという理由だけで秘密を全部話せなかった。肝心なことはこの装備を取ること。

やっぱり海くんは優しい。そして強い。
過去を乗り越えて今の海くんがいて。辛いはずなのに、今も私の心配をしてくれてる。
私も、言わなきゃ、
「私、ほんとに自信がなくて、ただでさえ可愛くないのにマスクの下を見せるともっと嫌われるんじゃないかって」
「うん、」
「でも、今海くんは全部話してくれたから、私も見せるよ。」
そう言って、髪を解き、メガネをとり、マスクを外す。

「…」
海くんの目は次第に見開かれていく。
「めちゃくちゃ可愛い、」
そう聞こえた彼の言葉にボボボッと顔を赤くする。

「あ、!えっと、つい本音が、」
そう言われて2人して余計顔が赤くなる。

しばらく見つめあって2人同時に吹きだした。
このゲームで距離が縮まったって思っているのが私だけじゃないといいな。