Restart〜二度目の恋もきみと

「いや、いきなりこんなキスして俺が悪いんだ。でも、どうしても歯止めが効かなかった...」

私はもう一度、大きく横に頭を振るが
鼓動はドクドクと早くなる一方だった。

今日の竜海さんはいつもと様子が違うから
どうしていいのか分からなくなる。
いつだって優しい竜海さんだったのに
急に意地悪を言ったり、
あんな荒々しいキスだって初めてだ。


「今日も禅くんとのデートを邪魔してしまったし。」

竜海さんは決まり悪そうに呟いた。

「えっ?!デートじゃないですよっ」

私はびっくりして声を大きくして訂正する。
“デート”って言い方だとまるで私と禅ちゃんの間に恋愛感情があるみたいだ。
禅ちゃんは私にとって友達でそれ以上でもそれ以下でもない。禅ちゃんだってそう思っているはずだ。

「でも俺にとってはデートかデートじゃないかなんてそんなことはどうだっていい。桜良が他の男と二人で出掛ける事自体、嫌なんだ。」

竜海さんのいじけたような言い方に
私は「ごめんなさい..」と
咄嗟に謝る。

何だかそれは禅ちゃんに嫉妬していると言われているようなんだけど、合ってるのかな..

嫉妬されるという初めての経験に
戸惑ってしまう。

「すまない。
桜良に他の男に愛想振りまくなって言ったのも全部嫉妬からだ。」

竜海さんの口から嫉妬と言う言葉を聞いてやはり嫉妬なのだと確信はするが、なんだかくすぐったい感情が湧いてきてこの後どう声をかけたら良いのかわからない。