それから二人が仕事の話を終える頃には
時計はちょうど正午をさしていた。
黒木はソファーから腰を上げながら
「お昼、一緒に食べてくか?」
俺に問い掛けてきた。
黒木の問いに「ああ.. .」と
曖昧に返事をする。
その返事に黒木は「桜良ちゃんも誘う?」
とニヤリとこちらに視線を向けた。
「どちらでも」
俺は素知らぬ顔でソファーから
腰を上げた。
「ククッ、素直じゃないねぇ...
まあ、どちらでもと言うことは
誘ってくれということなんだろうなぁ」
黒木は勝手に俺の言葉を解釈しながら
応接室のドアを開けた。
すると、ちょうど桜良も仕事を終えて
席から立ち上がるところだった。
応接室は桜良の真後ろで桜良は
俺たちが出てきたことに気付いていない。
黒木が「あっ、桜良ちゃ..」声を変えようとしたとき、いきなり事務所のドアがノックされて見知らぬ男がドアから顔を覗かせた。
「お仕事中、すみません。
上杉さんいますか?」
そう言って顔を覗かせた男は少し恐縮したように言った。
桜良はびっくりした様子で
男に急いで駆け寄った。
「禅ちゃん!カフェで待っててって
行ったじゃない」
「桜良ちゃん、ごめん。
でも、待ち合わせしてたカフェが今日
定休日だったんだ。
今朝、新らしくできたパスタ屋に
変更しようってメール送ったんだけど、
既読つかないから入れ違いにならないか心配になって」
「えっ、ごめん。
メール、来てたの気づかなかった」
そこへ「桜良ちゃんの彼氏さん?」
佐野さんが興味津々と言ったように聞いてきた。
「ちっ、違いますっ!友達です!」
桜良は慌ててそれを否定していると
「桜良ちゃん、早くしないとお昼の時間帯で混んできちゃうよ」
そう言って男は桜良の手を取った。
その光景に俺のこめかみにピクリと血管が
浮き上がる。
「えっ?あ、うん。
あの、お昼ちょっと出てきます」
桜良は皆に告げると、竜海に気づくことなく
男に手を引かれ、事務所を出ていった。
時計はちょうど正午をさしていた。
黒木はソファーから腰を上げながら
「お昼、一緒に食べてくか?」
俺に問い掛けてきた。
黒木の問いに「ああ.. .」と
曖昧に返事をする。
その返事に黒木は「桜良ちゃんも誘う?」
とニヤリとこちらに視線を向けた。
「どちらでも」
俺は素知らぬ顔でソファーから
腰を上げた。
「ククッ、素直じゃないねぇ...
まあ、どちらでもと言うことは
誘ってくれということなんだろうなぁ」
黒木は勝手に俺の言葉を解釈しながら
応接室のドアを開けた。
すると、ちょうど桜良も仕事を終えて
席から立ち上がるところだった。
応接室は桜良の真後ろで桜良は
俺たちが出てきたことに気付いていない。
黒木が「あっ、桜良ちゃ..」声を変えようとしたとき、いきなり事務所のドアがノックされて見知らぬ男がドアから顔を覗かせた。
「お仕事中、すみません。
上杉さんいますか?」
そう言って顔を覗かせた男は少し恐縮したように言った。
桜良はびっくりした様子で
男に急いで駆け寄った。
「禅ちゃん!カフェで待っててって
行ったじゃない」
「桜良ちゃん、ごめん。
でも、待ち合わせしてたカフェが今日
定休日だったんだ。
今朝、新らしくできたパスタ屋に
変更しようってメール送ったんだけど、
既読つかないから入れ違いにならないか心配になって」
「えっ、ごめん。
メール、来てたの気づかなかった」
そこへ「桜良ちゃんの彼氏さん?」
佐野さんが興味津々と言ったように聞いてきた。
「ちっ、違いますっ!友達です!」
桜良は慌ててそれを否定していると
「桜良ちゃん、早くしないとお昼の時間帯で混んできちゃうよ」
そう言って男は桜良の手を取った。
その光景に俺のこめかみにピクリと血管が
浮き上がる。
「えっ?あ、うん。
あの、お昼ちょっと出てきます」
桜良は皆に告げると、竜海に気づくことなく
男に手を引かれ、事務所を出ていった。



