Restart〜二度目の恋もきみと

「私は、桜良と再び夫婦となれたことに感謝し、ここに夫婦の誓いをします」

そう言って竜海さんは私に目を移すとニコリと笑顔を向けて再び桜の木を見上げた。

「もう一度、桜良が私の手を取り、一緒に人生を歩んでいってくれることに感謝します。これからは、同じ過ちを繰り返さないようにお互いちゃんと話し合い、理解し合えるよう心掛けたいと思います。
私はこの桜の木に誓って、もう、彼女のこの手を離すことをしません。」

竜海さんはそう言うと握る手にキュッと力を込めた。

「私も、今日、竜海さんと再び、夫婦になれた奇跡に感謝し、ここにずっと彼のそばで彼を支えていくことを誓います。

私はずっと自分に自信が持てなくて、、。
そのせいで竜海さんを信じることが出来ませんでした。
でも、今はお互い本音で話し合って理解し合うことで、自分自身のコンプレックスが小さくなって、日々、竜海さんに愛されている自信が大きくなっているような気がします。」

私はそこまで言うと、桜の木から隣に立つ竜海さんに体を向けて「あのっ、竜海さん！」名前を呼ぶと竜海さんは「うん」と優しく相槌を打つ。

「私は不器用だし、まだまだ、妻として足り部分はありますが、これからも末永く宜しくお願いします。」

私は深々と頭を下げた。

私の言葉に竜海さんは穏やかに微笑むと
「これからはお互いの足りない部分は二人で補っていこう。
桜良、顔を上げて左手を出して。」
と、優しい声色で囁くように言った。

私は顔を上げて、左手を差し出した。

すると、竜海さんは私の手を取り、
私の薬指にピンクゴールドのリングを嵌め込んだ。

真ん中に埋め込まれたダイヤが太陽の光に反射してきらりと光る。

私の薬指には一度目に結婚したときにもらったシルバーリングと、今嵌めてもらったピンクゴールドのリングの2つの指輪が輝いていた。