Restart〜二度目の恋もきみと

松谷はそれから数日後、自ら退職願を出して
会社を後にした。

東吾の情報によれば
宇佐美を恐れてか、海外に移住をする手続きを進めていると聞いている。

俺の言葉ひとつで、彼女の性格が劇的に変わるなんてそう簡単なことではないとは思う。

だけど、今まで一緒に仕事をしてきた上司としてはあまり危ない橋を渡った人生を歩んでほしくはない。


新たな土地で心を入れ替えて、人生を歩んでいってほしい。

そんな甘いことを思ってしまうのは、桜良のお人好しがうつってしまったのだろうか...。

ピロリロリン

自分のスマートフォンが机の上で震えて『from桜良』
俺はそのメールの相手に目を細めた。

『竜海さん、やっぱり婚姻届けの提出は4月1日が良いです!!
ごめんなさいm(__)m』

メールの内容に俺はガクンと肩を落とす。

4月1日は桜良の誕生日だ。
そして1度目の結婚記念日でもある。

一刻も早く入籍したい俺と、結婚記念日は同じ日にしたい桜良。