それから、途中、禅ちゃんと別れた私と竜海さんは歩いてマンションへと向かう。
タクシーも捕まらず、ただひたすら二人で薄暗い道を歩く。
疲れてはいるのだけど、眠気のピークを通り越してなぜか気分はハイになっている。
さきほど今度、二人で夜釣りに行こうと盛り上がっている竜海さんと禅ちゃんを
思い出して私はクスリと笑いを零した。
「なにか面白いことでも思い出した?」
竜海さんが隣で笑いながら聞いてきた。
「いえ、今日はなんだか色々なことがあったけど悪いことばかりではなかったなと思って...」
「そっか。桜良がトラウマになってなくて良かったよ。」
「トラウマ?」
「ほら、事件や事故のあとにPTSDとかになるってあるだろ?」
「ああ、なるほど。多分大丈夫だと思いますけど...
もし包丁を見て、卒倒するようだったら、料理は竜海さんにお任せします。」
私は竜海さんに向かって、ぺこりと頭を下げた。
料理が苦手な竜海さんは「料理かあ...」と頭を悩ませながらも「頑張ってみるよ」と困ったように承諾した。
私はクスクスと笑いながら「大丈夫ですよ。二人のおかげで思ったより平気そうです。」笑顔で答えるのを竜海さんは目を細めて見つめる。
タクシーも捕まらず、ただひたすら二人で薄暗い道を歩く。
疲れてはいるのだけど、眠気のピークを通り越してなぜか気分はハイになっている。
さきほど今度、二人で夜釣りに行こうと盛り上がっている竜海さんと禅ちゃんを
思い出して私はクスリと笑いを零した。
「なにか面白いことでも思い出した?」
竜海さんが隣で笑いながら聞いてきた。
「いえ、今日はなんだか色々なことがあったけど悪いことばかりではなかったなと思って...」
「そっか。桜良がトラウマになってなくて良かったよ。」
「トラウマ?」
「ほら、事件や事故のあとにPTSDとかになるってあるだろ?」
「ああ、なるほど。多分大丈夫だと思いますけど...
もし包丁を見て、卒倒するようだったら、料理は竜海さんにお任せします。」
私は竜海さんに向かって、ぺこりと頭を下げた。
料理が苦手な竜海さんは「料理かあ...」と頭を悩ませながらも「頑張ってみるよ」と困ったように承諾した。
私はクスクスと笑いながら「大丈夫ですよ。二人のおかげで思ったより平気そうです。」笑顔で答えるのを竜海さんは目を細めて見つめる。



