Restart〜二度目の恋もきみと

「禅ちゃん、ありがとう．．」

私は目に浮かんだ涙を拭いながら、お礼を言った。

禅ちゃんはコクリと私に向かって頷くと
竜海さんに向かって「僕の代わりに桜良ちゃんをよろしくお願いします。」
まるで私の父親のように頭を下げた。

竜海さんは「ああ。大丈夫。今度は絶対に桜良を離したりしないから。禅くんもこれからも桜良の友達として仲良くしてやってほしい。」優しい声色で言った。

禅ちゃんは顔を上げると「もちろんですッ」と声を上げた。

「良ければ、俺もお店に飲みに行きたいんだけど．．
実は前に水族館に行ったときに、君と話して結構楽しかったんだ」

「もちろんですよッ。大歓迎です」

禅ちゃんは顔を輝かせて言った。

それから歩きながら私たちは明け方の
薄暗い道を色々な話をした。

好きなものにおいては収集癖のある二人は
話が合うのか終始、私は会話に置いてけぼりになっていたのだけど。

それでも二人が笑いあって話しているのが嬉しかった。