Restart〜二度目の恋もきみと

それから、男は駆け付けた警察官によって取り押さえられた。

そして、頬に軽い傷を負った禅ちゃんは
救急隊員の軽い応急処置だけで済んだ。

しかし、その後、警察署に呼ばれた私たちは
長い聞き取り調査の後、ようやく解放された時には日付は当に変わっていた。

「それでは気を付けてお帰りください」

「どうもありがとうございました」

私と竜海さんと禅ちゃんは
警察官に丁寧に頭を下げると警察署を出た。

そして、どっと押し寄せてきた疲れに、
“はあぁぁぁぁ~~~”と三人同時に長い息を吐いた。

ぴったりと合った息に、思わず三人で顔を見合わせて笑ってしまう。

「それにしても、疲れましたね」

禅ちゃんが笑いながら言った。

「禅くんのおかげで、桜良に危害が加わることがなくて良かったよ。
本当にありがとう。」

竜海さんは禅ちゃんに向かって深く頭を下げた。

「皆藤さん、頭をあげてくださいッ」

禅ちゃんは慌てた様子で頭を下げたままの竜海さんの肩に手を置いた。