Restart〜二度目の恋もきみと

「上手く出てきてくれたみたいだね。さあ、行こうか。」

男はにやりと微笑むと私の手首をがっちり掴んで、歩き出した。


「あ、あのッ、どこに行くんですか?」

私はなんとか時間を稼ごうと
問いかけるが男はフッと不気味な笑みを浮かべるだけで
無言で歩みを進めるだけだった。

ああ、どうしよう...

このまま男について行けば、絶望的だ。

竜海さんに連絡を入れたいが、この状況では
バックの中からスマートフォンを取り出すこともできない。

どうしたら...

しかし、そうこう考えてるうちに男は歩みを止めた。

目の前には黒のワンボックスカーが止まっていた。

この車に乗ったら、さすがにもう逃げることはできない。

「私っ、この車には乗れませんッ」

私は咄嗟に逃げようと1歩後ずさった。