Restart〜二度目の恋もきみと

俺はすぐに桜良の携帯に電話を掛けた。

trrr...

出てくれ...桜良...


祈るように電話のコール音が数回鳴ったあと

『もしもし』

桜良の可愛らしい声が聞こえて、俺はホッとして肩の力が抜けた。


「桜良?今、禅くんのお店?」


『はい..今ちょうど禅ちゃんのお店に着いたところです。』

受話器の向こう側で翠さんの『竜海さん?』と桜良に問いかける声が
聞こえて、桜良はそれに『うん』と答えた。
俺は桜良がすでに翠さんと合流したことを確認して
更に安堵の息を吐いた。

「そう。良かった..」

『ごめんなさい。もしかして黒木さんから連絡あって心配しましたか?』

「うん。でも無事に着いたのならいいんだ」

『心配かけてしまってすみません。タクシーなら大丈夫かと思って..』