あれからストーカーから何もないとはいえ、
ずっと二人に送り迎えされている身としてはとても心苦しい。

いつまで、私は誰かもわからない人物に怯えて暮さなければならないのか...

私は大きくため息を吐いた。

でも、犯人も最近、現れないし、諦めたんじゃないだろうか..


私は手持ち無沙汰になりスマートフォンをバッグから取り出した。

スマートフォンにはメールの未読メッセージが1件入っていた。
メール開けてみると、送り主は翠からだった。

『桜良、今日の夜、暇?
仕事終わって禅ちゃんの店に来てるんだけど桜良も来ない?』

メールの内容は翠から飲みのお誘いだった。

しかも、禅ちゃんのお店だ。

禅ちゃんから告白をされたことを
翠には言っていない。

私はメールを眺めながら、どうしようかと考える。

あれから、禅ちゃんとは全く連絡を取ってないけど、ずっと気になってはいたのだ。

禅ちゃんとこのままお別れなんて嫌だし、ちゃんと話したい...

そして、また友達として元の関係に戻りたい..

でも、それは私だけの理想であって禅ちゃんからしたら、迷惑なんじゃないかとも考えてしまう。