Restart〜二度目の恋もきみと

「桜良ちゃん、どうしたの?」

急に立ち止まった私に、禅ちゃんも不思議そうに足を止めた。

「ううん。何でもない。」

私は笑いながら再び歩みを進めると
禅ちゃんも一緒に歩き出した。

「禅ちゃん、あのさ..。
これから二人きりで会うのは控えようと思うんだけど..」

私の言葉に禅ちゃんは「えっ...どうして?」と、戸惑ったように足を止めた。

「うん。あのね..。
実はまた竜海さんと一緒に暮らすことになって...。
やっぱり、いくら友達とはいえ、禅ちゃんと私は異性だから二人で会うのは良くないと思うの。」

真っ青な表情で立ちすくむ禅ちゃんに
「あッ、でも、まったく会わないというわけではないし、
翠とか竜海さんと一緒ならお店に飲みに行くし」
私はその場を取り繕うように言う。

しかし、禅ちゃんは悲し気な表情で
「皆藤さんと、再婚するの?」
と、問いかけてきた。