「約束だぞ?
あ〜、早く可愛い彼女が欲しい。
家と会社の往復だけで最近虚しくなってきてさ。」

「仲間内で結婚してないの、お前だけだもんな。でも、弁護士なんて言ったら、受付の中で争奪戦が始まりそうだな...」


「それなら、うちの後輩も何人か連れてくから合コン形式にしたら大丈夫だろ?
それに、お前もたまには他の女の子とも飲みたいだろうしな?」

東吾は悪戯に微笑んでみせた。

「俺は行かないから。受付の女の子に連絡先だけ聞いてお前に教えるから、あとは勝手にやってくれ。」

「はあ...竜海は相変わらず真面目だよな」

「折角、桜良が戻って来てくれたのに、そんな合コンなんて行って誤解でもされたら困る。」

「浮気じゃないんだし、主催者として飲みに行くだけならセーフだろ?
桜良ちゃんだって主催者なら許してくれるよ」

「桜良のことだから説明したら許してはくれるとは思うけど行かない。もし、桜良が合コンなんて行ったら主催者だろうと俺は行ってほしくないし。
何より、桜良の悲しむことはしたくない。」

「そうか...」

東吾は俺の言葉を聞いて、静かに味噌汁を啜った。

そして、「俺も、大事にしたいと思えるような彼女見つけよう..」と羨ましげに呟いた。