Restart〜二度目の恋もきみと

Side竜海

桜良がマンションに戻ってきた翌日の昼時、
俺はある男と定食屋で待ち合わせをしていた。

「竜海っ!待たせて悪いっ」

俺が先に定食の生姜焼きを頬張っていると
高校時代の同級生で黒木と共に仲が良かった鳴沢東吾(なるさわとうご)
が、悪いと言ったように両手を合わせて店へと入ってきた。

「こっちこそ、急に呼び出して悪かったな。
先食べてるぞ。」

「事務所に出る間際に
面倒な依頼人に捕まってしまってさ。
アポなしでくるのは勘弁してほしいよな」

東吾は大学卒業後に弁護士資格を取得して
今は大手の法律事務所で敏腕弁護士として
働いている。
そして、俺の会社の顧問弁護士としても
世話になっているのだ。

「どこにでも、厄介な客はいるもんだよな」

「ほんと、そうだよな。 
愛想笑いもしまいには引きつってくるよ。
はあ..朝もまともに食べてないから、お腹空いて死にそう。」

東吾はそう言いながらメニュー表を手に取ると
「がっつり焼肉定食にすっかな」
そう言って手を挙げて定員を呼んだ。