そして、食事を終え
食後のコーヒーを皆で飲んでいると
リビングのドアが突然開いて
「ただいまっ」と息を切らした桜良のお義父さんが入ってきた。

「あらっ？お父さん、今日は飲み会で遅くなるんじゃなかったの？」

桜良がびっくりした表情で問いかけた。

「母さんから、竜海くんが来てるって連絡入ったから急いで帰ってきた。」

お義父さんはかなり急いで帰ってきてくれたのか、肩で息をしながら言った。

俺はすぐさまソファーから立ち上がると、
「お義父さん、ご無沙汰しております。
遅くにいきなりお邪魔してすみません！
今日はお話があって来ました。」
お義父さんに向かって深々と頭を下げた。

「竜海くん、堅苦しい挨拶はいいから座りなさい。
それに母さんから、事情は聞いたから大丈夫だ。
ケーキを買ってきたから、皆で食べようじゃないか。」

お義父さんはケーキを掲げながら
嬉しそうに言った。

この親にしてこの子ありだな。
桜良がこんなに優しくて良い子なのは
こんな優しくて温かいご両親に育ててもらったからなのだと俺は改めて思った。