Restart〜二度目の恋もきみと

封筒を中身を開けると
中から一枚の写真が出てきた。

その写真に写されていた人物をみて
俺はびっくりしたように目を見開いた。
それは俺と松谷がホテルから出てくる
ところが撮られた写真だったからだ。

「これは?」

俺は桜良に視線を移すと
眉を潜めて問いかける。

「私が竜海さんの家を出る数日前に
届いたんです。
信じたくはなかったんですけど
色々あった後だったから、
どうしても怖くて聞けなくて。」

俺はもう一度、その写真を見つめると
ハアッと大きく息を吐いた。

だから、あの時様子がおかしかったのか..


「桜良が家を出た原因はこれだったんだな。
だけどこれは俺じゃないよ。
よくできてはいるけど
紛れもなく合成写真だ。ほらよく見て」

そう言って俺は桜良に写真を手渡す。

「この写真の俺と松谷の身長差は10cm程度だ。
だけど実際は俺は185センチで松谷は155センチそこらでかなり小柄だ。
ヒールを履いたとしてもこの身長差は
有り得ない。」

桜良は俺に言われて
写真を食い入るように見た。

しかも、俺はこんな貧弱な体形はしていない。

「それにこの男がしてる腕時計を見ろ。
こんな安物の時計は俺はしない」

そう言って俺は少し自慢げに自分の腕時計を見せると
その様子に桜良はフフッと思わず笑った。