Restart〜二度目の恋もきみと

「それから、今日から桜良は俺のところに
戻ってきて。」

その男がどういう意図で桜良をつけまわしているのか
分からない中で心配だし、きっと本人も不安で仕方ないだろう。

「でも...」

桜良は申し訳なさげに言葉を詰まらせた。

それに俺が桜良と離れたくない。

「相手がストーカーだった場合、
ご両親にも被害が及ぶ可能性だってあるんだ。
桜良の家は戸建てだから、俺のマンションの方が
オートロックで警備も万全だから安心だろ?」

桜良を脅してしまうような言い方で心苦しいが
こうでも言わないと桜良はウンとは言わないだろう。
それに離れて暮らしていたら、心配で仕事どころではなくなってしまう。

「ありがとうございます。」

桜良は少し考えてから顔を縦に振った。
その答えに俺はようやくホッと胸を撫で下ろした。

「じゃあ、桜良の荷物を取りに行くついでに
ご両親にも挨拶しときたいから
家に上がってもいいかな?」

「あ、はい。でも、両親には誰かにつけられてることは
心配するから知られたくないです。」

「大丈夫。両親にはそのことは伏せておくから」

心配げに見つめる桜良に俺は微笑みながら、
頭をポンポンと軽く叩いた。