Restart〜二度目の恋もきみと

竜海さんは私の頬に伝う涙を指で拭った。

「もっとあの時、ちゃんと桜良話しておけば良かったよ..
そうしたら、こんなに心が行き違うことはなかった。
これからは何でも話してほしい。
俺は桜良のことならなんでも受け止めるから」

「竜海さん...」

「しかし、あの男、中学時代から桜良を泣かせていたとはほんとムカつくな...
少し懲らしめたくらいじゃ物足りないんだけど。」

「竜海さん、仁坂くんの会社の社長さんとお知り合いだったんですか...?」

私の問いに一瞬止まった竜海さんは
「全然!!
サンテック沢北なんて会社初めて聞いたよ」
悪戯に微笑んで見せた。

「えっ...?」

私は目をパチクリと(しばたた)かせる。

「でも、桜良がまだ懲らしめ足りないっていうなら
俺の伝手(つて)を当たって、やつを再起不能になるまで
懲らしめることもできるけど?」

再起不能って...。


「だ、だいじょうぶです!!
さっきので十分です!!」

私は両手を胸の前で振りながら答える。

「そう?桜良がそういうのならこれくらいにしてやるか..」

竜海さんは少しつまらなそうに言った。