Restart〜二度目の恋もきみと

驚きの表情を浮かべる仁坂に竜海さんは
「君の名刺は?」と問いかけた。

「す、すみませんっ」 

仁坂は慌てたように名刺を取り出すと
竜海さんの前に差し出した。

「ありがとう。
ふ~ん...サンテック沢北か...
ここの会社の社長とは取引先の創立記念の祭典のときにお会いしたことがありますよ。
それからたまにゴルフに行く仲なんですよね。」

「えっ?!そうなんですかっ?!」

「うん。
まあ、それはいいとして、私の妻に何か用かな?」

「妻っ?!」

「さっき他の女の子とも遊びたいとか
飲みに行かないと
ノベルティラボとの契約を打ち切るとか
聞き捨てならない言葉が聞こえてきたんだけど?」


「そ、そんな。滅相もない!!
冗談です冗談!!
あっ、そうだ。午後から約束していたのを思い出しましたっ」

そう言って、仁坂は急いで立ち上がると鞄を取って帰る身支度を始める。