王族って言っても。
まさか、国王の姪っ子と甥っ子にピアノを教えるだなんて思ってもみなかった。
ティルレット王国の王族については謎だらけ。
国民でも知らないことだらけらしい。
私が知ることなんて、一つもないというのに…
いきなり身分の高い人が登場して。
私ごときが教えていいのだろうかと感じた。
恐れ多くも、次の週になると。
カレン様のお嬢様にピアノを教える時刻となった。
カレン様の後ろに隠れるようにしてやってきた女の子を見て、おやっ? と思った。
小麦色の肌に焦げ茶色の髪の毛。
瞳の色は、碧…と言えばいいのか。緑のような青のような…
ぶっちゃけ、母親に全然似ていないのだ。
カレン様は栗色の髪の毛に紫色の瞳で、色白だ。
(父親似なのかな)
と、思わずジロジロと見ていると。
「ごめんなさいね、ほら、ご挨拶しなさい」
女の子はちらっとこっちを見ると、「いやっ!」と叫んでカレン様の後ろに隠れた。
「ほら、自己紹介して」
カレン様が声を荒らげるけど、女の子は隠れたままだ。
カレン様は、ため息をついて女の子を抱っこするとピアノの前にある椅子に座らせた。
急いで、女の子の隣に座り込む。
「はじめまして。私はセシルって言います」
「……」
黙り込む女の子。
「こらっ、スズラン」
後ろのほうでカレン様が注意する。
そうか、スズランっていうのか。
「ピアノに触れるのは初めてでしょうか? まずは、ドレミからいきましょうか」
と自分でドレミと弾いて見せると。
スズランは、ぐしゃっとてのひらで鍵盤を叩きつけた。
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
スズランが絶叫したかと思うと。
立ち上がって、どこか走っていってしまう。
どこかで、この光景見たことあるな…
と、ぼんやりしながら立ち上がる。
侍女が慣れているのか「お待ちください」と俊敏に対応して、すぐさまスズランの後を追いかけていく。
イチゴの再来キターと脳裏で叫びながら。
困り果てるしかない。
「先生、ごめんなさい。あの子、人見知りが激しくて」
と、フォローするカレン様に「大丈夫です」と言うしかない。
あの子は、教えるの大変そうだな…
まさか、国王の姪っ子と甥っ子にピアノを教えるだなんて思ってもみなかった。
ティルレット王国の王族については謎だらけ。
国民でも知らないことだらけらしい。
私が知ることなんて、一つもないというのに…
いきなり身分の高い人が登場して。
私ごときが教えていいのだろうかと感じた。
恐れ多くも、次の週になると。
カレン様のお嬢様にピアノを教える時刻となった。
カレン様の後ろに隠れるようにしてやってきた女の子を見て、おやっ? と思った。
小麦色の肌に焦げ茶色の髪の毛。
瞳の色は、碧…と言えばいいのか。緑のような青のような…
ぶっちゃけ、母親に全然似ていないのだ。
カレン様は栗色の髪の毛に紫色の瞳で、色白だ。
(父親似なのかな)
と、思わずジロジロと見ていると。
「ごめんなさいね、ほら、ご挨拶しなさい」
女の子はちらっとこっちを見ると、「いやっ!」と叫んでカレン様の後ろに隠れた。
「ほら、自己紹介して」
カレン様が声を荒らげるけど、女の子は隠れたままだ。
カレン様は、ため息をついて女の子を抱っこするとピアノの前にある椅子に座らせた。
急いで、女の子の隣に座り込む。
「はじめまして。私はセシルって言います」
「……」
黙り込む女の子。
「こらっ、スズラン」
後ろのほうでカレン様が注意する。
そうか、スズランっていうのか。
「ピアノに触れるのは初めてでしょうか? まずは、ドレミからいきましょうか」
と自分でドレミと弾いて見せると。
スズランは、ぐしゃっとてのひらで鍵盤を叩きつけた。
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
スズランが絶叫したかと思うと。
立ち上がって、どこか走っていってしまう。
どこかで、この光景見たことあるな…
と、ぼんやりしながら立ち上がる。
侍女が慣れているのか「お待ちください」と俊敏に対応して、すぐさまスズランの後を追いかけていく。
イチゴの再来キターと脳裏で叫びながら。
困り果てるしかない。
「先生、ごめんなさい。あの子、人見知りが激しくて」
と、フォローするカレン様に「大丈夫です」と言うしかない。
あの子は、教えるの大変そうだな…