__7年前、春。



私、黒澤憂羽(くろさわ ゆう)は今この状況に心底ウンザリしていた。



「うわ、一宮高の憂羽ちゃんじゃん!」


「やべー、生で見るとめっちゃかわええ!」


「これからどこ行くの? 俺送っていこっか?」



塾で遅くなり、夜の街を歩くとすぐこうだ。


知らない奴にすぐ囲まれる。