「……よし。もう大丈夫だよ。おまえ、綺麗な顔してるけど男だろ? 男なら泣くな」 「……っ」 俺はそう言われて泣きながらもコクコクと頷く。 怖くて、すぐにでもこの場から立ち去りたかったけど、俺はヒーローみたいに現れたこの人のことを知りたかった。 こんな風に強い人間になりたいと、強く思った。 「……お、おにいさんは、ヒーロー?」 「ははっ! ヒーロー!? そうだよ! 俺はこの街を守ってるヒーローだ」 「ぼ、僕も、おにいさんみたいなヒーローになれる……?」 「んー……それはおまえ次第だよ」