旅行から1週間。

あれから私は毎日バイト。

旅行でかなりのお金が飛んでいってしまったので、

それを取り戻すためにも頑張っている。

うーんと、次の人は…。

ボックスとぬいぐるみね。OK。

これを箱に入れてテープで止める!

んで、送り状貼ったら完了!

私のバイトは出荷と梱包という工場での作業なの。

大体の工場では高校生は働けないのだけど、

ここはたまたま高校生可になっていたのだ。

仕事の流れは、発注書といってお客様の注文が書かれた紙を確認し、

棚に商品を取りに行く。

そして、それを綺麗に箱詰めして送り状を貼り出荷すれば完了の仕事!

人と関わるのが苦手な私にはうってつけの仕事なのだ。

楽しいんだよね〜この仕事!

「葵葉ちゃんは、覚えるのが早いから助かる!」

「ありがとうございます!」

仲のいいおばちゃん褒めてもらった。

嬉しい。

その後も着々と仕事をこなした。

「みぃ〜ご飯食べに行こ!」

「あ、うん!」

もうそんな時間なの!?

時計を見ると13時になっていた。

いや、昼過ぎてるよ!

集中しすぎて時計を確認し忘れることが多々あるのだ。

なので、いつも咲恵が呼びに来てくれる。

実は、咲恵と同じバイト先なのだ。

バイト先をどこにしようか悩んでいた時に、

咲恵がここ凄くいいよ!っと紹介してくれたのだ。

で、面接をつけたところ受かったというわけです。

「仕事どう?順調?」

「うん!もうすぐ出荷終わるよ!」

「早!?いいなぁ。こっちは終わりが見えないし、変なクレーマーおババの電話に捕まるしで大変だわ。」

「そ、そうだったんだね。」

はぁー…。と咲恵は深い溜息をついた。

「そろそろ1時間だね。仕事戻ろっか。」

「うん!」

「んじゃ、また後でね、みぃ!」

「ばいばーい!」

私たちは仕事に戻った。

咲恵と仕事が別なためお昼ご飯以外は別行動だ。

私は出荷、梱包のお仕事だけど咲恵は事務仕事。

事務の仕事のことはあまりよく知らないけど、

少しだけ咲恵に教えて貰ったことがある。

電話対応と送り状や発注書作り、売上の打ち込みなどが主な仕事らしい。

なんでも、電話対応を最悪らしいのだ。

かけてくる相手によっては良い人も居れば、最悪な人も居るみたい。

最悪な人に当たったときは咲恵、いつも怒っている。

そういう話を聞いていると、私がしてる仕事は楽な方だと思う。

さて、こんな話してるうちに発注書も終わりだ。

「出荷終わりだね!じゃ、そっちの2人は事務のお手伝いね。で、葵葉ちゃんはシール貼りお願いするわね!」

「はい!」

シール貼り!この仕事好きなんだよね!

シール貼りの仕事は、書店に売り出される商品値段を貼る作業のことなの。

箱に分けて入れられている各商品に税込の値段シールを貼り付ければOK!

「ごめんね、葵葉ちゃん。今日結構多いんだけど任せてもいいかな?」

「はい!大丈夫です!」

私の目の前には正方形の大きめの箱が6箱置いてあった。

中にはぎっしりと品物が詰められていた。

これぐらいならギリギリ終わる。

そう思い私は作業に取り掛かった。