お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





しばらくのあいだ、沈黙。

けれど私にはスマホを触ることすら許されない、見えない圧力が全身に降りかかってきているわけで。


ふわっと鼻をくすぐるペパーミントの香りに、緊張と不安が一瞬だけ和らいだけれど…。


「で、」と、そのたった一言で現実が戻ってきた。



「どう言い訳するつもり?」


「えっと…、学校どうだったかなって……心配してて、」


「それで脱衣場を開けたって?」


「あっ、それはっ、返事がなかったものですから……、もしかしたら倒れてたりするんじゃないかなって…」


「死にそうなくらい女に囲まれたからシャワーで洗い流してただけ」


「……さ、左様でございましたか」



この距離でもしっかり声が届いてくるほど、あたりは静まり返っていた。


というよりお母さんはどこに行ってるんだろう…。

この時間だからお買い物かな…。


おじさんは外せない仕事が入ったみたいで入学式には来られなくて、お母さんが行くのも変だよねって話になって。


だからその代わりに私がしっかり見る役目を任されていた今日。