「ナナちゃんは…、ナナちゃんは私のっ、い、イケメンすぎる……かれ…し」


「…ふっ、それ狙ってんの」



ふわっと伸びる目尻、向かってくる手。

そっと頬に触れては支えられて、自然なまま首を傾けたところに。



「ん…っ」



柔らかい唇が、ひとつ。

普段は家族みんなが揃うリビングにて重ねる背徳感と、今日で2回も味わってしまった女の子の憧れ。



「んんっ、ナナ、ちゃ…」


「……もっと」


「ふ…っ、んっ」



キス、……キス、してるんだ…。

ナナちゃんとしちゃったんだ私……。


お互いの唇が震えていることがいちばんに伝わってくる。

でもやっぱり、それ以上に熱くてたまらない。



「…言っとくけど、俺も初めてだから」



コツンと、ぶつかったおでこ。


ここは年上である私がリードしなくちゃ、年上なんだから安心させてあげなくちゃ。

そう思ってぐるぐる考えていると、すべてを察したように落ちてくる甘すぎる微笑み。