なんというタイミングだ。

できれば今日はお母さんもおじさんも揃っててくれてたほうが私的には助かった……のに。



「ってことでじゃあ…仲良くしよ」


「なっ、仲良くって…!」


「とりあえず膝、見して」


「え、やっ、自分でできるから大丈夫だよ…!義弟にそんなことさせられな───、っ、」



ぶすっとした顔すら、整っている。

距離感わずか数センチ、ここまで近づかれてやっと、私の全身の熱は再び上昇してきた。



「……誰がおとうと、だって?」


「っ、ち、ちがい…ます、」


「じゃあ俺は、なに?」


「……っ、えっと……その…、」



か、彼氏……なの……?

本当の本当に、私の彼氏…なの?

これも夢?
これもまた平行世界…?



「…ゆら」



何千倍も甘く聞こえた。

今までも聞いていた声だというのに、まるで初めて聞いたみたいにとろけそう。