「だから朝はやくから図書室で勉強とか、もうしなくていいって」
「…うん」
「…うまい?」
「う、うん。美味しい…」
ナナちゃん、できれば今までどおりのほうが落ち着くかもしれない…。
こんなに優しくされすぎると裏があるんじゃないかって思っちゃう。
「そか。よかった」
「っ…」
その屈託ない笑顔ひとつで、裏なんかあるわけないって確信に変わった一瞬。
無意識にも私はスマートフォンを操作して、カメラをナナちゃんに向けてしまっていた。
「それじゃなくて、こっち」
「…!」
くいっと引き寄せられたと思えば、私が手にしていたスマホの向きまで変えられていて。
インカメに変更した画面には、私とナナちゃんが映っている。
「もっとこっち来ないと見切れる」
「いやっ、わっ、」
ナナちゃんのソロ写真だけで十分だったのに、まさかのツーショットだなんて。
もし彼がアイドルだったら、こんなにも素晴らしすぎるファンサービスなんて夢みたいな話だ。
─────カシャッ!
「まって、私すごい変な顔してた…!」
「そーか?ふつーに可愛かっただろ」
「………え?」
「………」



