お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





急に謝罪を受けた雅はぶるっと身震い。

後日になって話されたのだけど、なんと彼は雅のことをずっと男の子だと思っていたらしいのだ。


……え……、そんなことってある………?



「おかえり、ゆら」


「ただいま」



そして変わった、みっつ目は。



「今日のお弁当、どうだった?」


「すごく美味しかったよ。オムライスになってたね」


「ふふ、あなた昔から好きだったものね~?」



お母さんが私を正面から見てくれるようになったこと。


今までも愛情が足りないとかじゃない。
お母さんは私を大切に育ててくれた。

けれど寂しいと感じてしまうときは、幼い頃からやっぱりあって。


でもここ最近は。


お母さんも大変だから仕方ないよね───という我慢を私がする前に、お母さんから歩み寄ってくれる。



「明日は何がいい?2日連続オムライスも大歓迎よ?」


「えっ、それはちょっと飽きるかな…!ナナちゃんも同じになっちゃうから」


「別に俺はそれでもいーけど」


「ふふっ、じゃあ明日はふたりの好きなものを詰めたお弁当にするわ」


「…うん、ありがとう。───わっ!」