雅side
“相手を傷つけない言い方”
“相手を勇気づける労りの言葉とは?”
こんなの調べたところでどーなんの…と、我に帰ってスマホを乱暴にしまう。
病院のロビーまでは入ったものの、そこから新しい動きはできないまま刻一刻と時間ばかりが過ぎていく。
夏の大会が終わったとしても1年と2年は変わらず部活だらけの毎日。
なるべく猛ダッシュで向かってはきたけれど、18時半を過ぎていた。
「すみません、甲斐田 遥真(かいだ はるま)さんのお見舞いに来たんですけど…」
「甲斐田くんなら2階の205号室───…には居ないわね、きっと」
受付の看護師は急にクスクスと笑い出す。
じゃあどこにいるんだと気になっていると、それは我が子の様子を伝えるかのように教えてくれた。
「冗談抜きで睡眠以外はリハビリしてるのよ。受験生でもあるのにね」
それから案内された場所は先輩が入院する病室ではなく、3階にあるリハビリテーション室だった。
いまの時間は病院であれば夕食あとの食後休憩時間だと思うのに、彼はそんなものお構い無しにリハビリテーション室へと向かうらしい。
“相手を傷つけない言い方”
“相手を勇気づける労りの言葉とは?”
こんなの調べたところでどーなんの…と、我に帰ってスマホを乱暴にしまう。
病院のロビーまでは入ったものの、そこから新しい動きはできないまま刻一刻と時間ばかりが過ぎていく。
夏の大会が終わったとしても1年と2年は変わらず部活だらけの毎日。
なるべく猛ダッシュで向かってはきたけれど、18時半を過ぎていた。
「すみません、甲斐田 遥真(かいだ はるま)さんのお見舞いに来たんですけど…」
「甲斐田くんなら2階の205号室───…には居ないわね、きっと」
受付の看護師は急にクスクスと笑い出す。
じゃあどこにいるんだと気になっていると、それは我が子の様子を伝えるかのように教えてくれた。
「冗談抜きで睡眠以外はリハビリしてるのよ。受験生でもあるのにね」
それから案内された場所は先輩が入院する病室ではなく、3階にあるリハビリテーション室だった。
いまの時間は病院であれば夕食あとの食後休憩時間だと思うのに、彼はそんなものお構い無しにリハビリテーション室へと向かうらしい。



