あの子みたいにクッキー作れないし、可愛いワンピースだってもう着ないし、
けど……君のことを思って生きていることは一緒なのかな。
「俺はあんたが望む家族にだけは、死んでもならないから」
「……なんで、」
がんばってるよ。
どうして私はいつも頑張っているのに、空回ってばかりなの。
『ごめんねゆら…。土曜参観、お父さんがいっぱい来てたね』
『ぜんぜん寂しくないよ?わたし、お母さんがいるだけでいいもん!
ねえお母さんは?お母さんは、わたしとふたりだけじゃ寂しい…?』
『…そんなことない。お母さんも、ゆらさえ居てくれれば幸せよ』
お母さん、そう言ってたのに。
なのにどうして新しい人なんか作るの。
私じゃ足りなかった?
私とじゃつまらなかった?
ほんとうは私だって、お父さんがいなくてずっと寂しかったんだよ───…。
「私のこと…、そんなに嫌いなの…?だって家族にならなきゃじゃん、わがままとか言ってられないよ、なのにどうして協力してくれないの…?」
「…協力?なんだそれ。あんたって、ひとの気持ち勝手にねじ伏せて作る家族なんかに憧れてんの」
「……、」



