先輩から頼まれた書類を渡した後、人事部の女性とは、それっきりだった。



『は〜。横山さん。今何やっているんだろう?あれ?俺、横山さんのこと好きなのかも…』




あの人事部の女性の横山さんに会ってから7ヶ月にして、ようやく、彼女のことが気になっていることに気がついた充であった。



実に鈍感なヤツだ。



春になり、充にも人事移動が言い渡された。

『人事部移動を命ずる』



先輩から一言
「まあ、落ち込むなよ。」


この会社では、若い男性社員で、人事部に転勤するということは、出世の道から大きく外れたと言う意味である。




それでも、充は、うれしくてうれしくて、感情を抑えきれなかった。



『やっと、横山さんに会える』