ホーム画面に羅列するアプリの中に、見慣れないアイコンが増えていた。
黒地の背景に白色の五芒星。名称は“ウィザードゲーム”。
先ほど強制的にインストールされたみたいだ。
恐る恐るアイコンに触れ、アプリを開いた。
画面の中央にはガチャのようなモチーフが大きく表示されている。
その下にスロットがあり、5個の空きスペースがあった。
しかし、ゲームと呼ぶには少し粗末な作りだ。
そんなことを思いながら、ガチャアイコンの下に表示されている文字を追った。
【毎日23時59分に回せるよ!
・必要消費アイテム
①四肢 ②臓器 ③その他身体部位 ④???
好きな番号を選んでね~!
何が出るかはお楽しみ。そして、何を失うかも……】
その下には確かに番号の振られた4つのボタンがそれぞれある。
どれかひとつを選択すればガチャを回せるということなのだろう。
けれど、このラインナップは何なのだろう。
どことなく気味が悪くて不快感さえ覚えてしまう。
いずれにしても、これほど奇怪で不可解なゲームをプレイする気などとうに失っていた小春は、早々にホーム画面に戻った。
その間際、画面の最下部に小さく書いてある文言が目に入る。
“トーク画面および本アプリの画面を他者と共有した場合、ペナルティが与えられます”。
(よく分かんないけど、ゲーム好きな蓮なら何か知ってるかも)
明日にでも聞いてみることにしよう。
そう考えてスマホをスリープした。



