────自分たちは、これからどうすればいいのだろう。
目的は見えているのに、そこまでの道筋が雑然としていて、進むべき方向が分からなくなってしまった。
「……なあ、陽斗の遺体見たんだよな。どんな感じだった?」
おもむろに蓮は尋ねる。
「火炎での火傷もあったし、撃ち抜かれたのか風穴だらけで血まみれでしたわ……。銃弾でなく異能での傷なら、水や石ではないかしら」
「光かも……」
「なるほど、光線銃みたいな感じか」
“撃ち抜く”ことができるのは、このあたりの異能だろう。
「同じ異能が同時期に存在することはありうるのか?」
紗夜とうららは顔を見合わせ、首を左右に振った。
「わたくしたちが知る限りでは見たことがありませんわ」
「そういう状況がありうるとしたらコピー魔法でしょ……。でも、今回はその持ち主が殺られてる。つまり、考えられるのはやっぱり……祈祷師かその仲間」
紗夜の推測はもっともらしい気がした。
「如月さんもそう言ってましたわ。甲斐さんを殺害したのは祈祷師だ、と……」
けれど、いま思えばそれは大雅を縛りつけるためのはったりだったかもしれない。
────祈祷師は、いったい何者なのだろう。
際限なく多彩な異能を操り、神出鬼没で目的も不明。
「天界か何だか知らんけど、何でそんな奴らが干渉してくんねん……」
「何か、何となく胡散くさいっていうか、変な感じだよね」
オカルト好きの紗夜以外は、一様に微妙なリアクションをした。
実際、何だか“バトルロワイヤル”と“天界”などという異様な響きはなかなか結びつかない。
「まあ……異能を使って戦う高校生たち、なんて俺たちの存在も十分現実離れしてるけど」
「何にしても、祈祷師とかいう異質な存在もこのゲームに深く関わってるってことやろ」



