◇
大雅は小春たちとテレパシーを繋ぎ、琴音の言葉を伝えた。
“祈祷師”という、新たな敵の可能性。それから────。
『琴音の意識が途切れた。……殺されたんだと思う』
感情を押し殺し、事実だけを伝えた。
にわかには信じがたいものの、繋いでいたテレパシーへの反応が消えてしまったのだ。
それの意味するところは、すなわち死。
「うそ……」
掠れた声がこぼれ落ちる。
つい先ほどまでここで話していた琴音が、いまはもうこの世のどこにもいないなんて、信じられるはずがない。
「マジかよ……。何で」
蓮も動揺しながら視線を彷徨わせた。
うららを餌に冬真が待ち構えていたのかもしれない。
────恐らくは、その“祈祷師”とやらにやられてしまったということなのだろう。
「うららは?」
『あいつは生きてる。たぶん、また冬真に術かけられてると思うけど』
「な、何があったのかな……」
小春の声は弱々しく溶けた。
琴音の身に何があったというのだろう。
『……桐生さん』
ふと、大雅はうららからテレパシーで呼びかけられる。
「うらら! おまえ────」
『わたくしのせいで瀬名さんが殺されてしまった。わたくしのせいで……』
「おい、落ち着け。何があったか見てたのか?」
彼女の声は震えていた。
声を直接発してはいないはずだけれど、よほどのことがあったにちがいない。
『最期を直接見たわけではありませんの。わたくし、あのあと再び術にかけられてしまって……。発言しないこと、一定の距離を置いてついていくことを命じられましたわ。それで、突然あの場に祈祷師という男が現れて』
要領を得ないながら、必死で言葉を紡いだ。
テレパシーさえ禁じられる前に、起きたことをできるだけ詳しく伝えておきたかった。
『瀬名さんは何とか旧校舎内に逃げたのだけれど……。でも、そのあと聞こえましたの。銃みたいな音や“死体”なんていう言葉が』
やはり、琴音に直接手を下したのは祈祷師だ。
冬真と手を組んだ彼が琴音を殺したのだろう。
大雅は小春たちとテレパシーを繋ぎ、琴音の言葉を伝えた。
“祈祷師”という、新たな敵の可能性。それから────。
『琴音の意識が途切れた。……殺されたんだと思う』
感情を押し殺し、事実だけを伝えた。
にわかには信じがたいものの、繋いでいたテレパシーへの反応が消えてしまったのだ。
それの意味するところは、すなわち死。
「うそ……」
掠れた声がこぼれ落ちる。
つい先ほどまでここで話していた琴音が、いまはもうこの世のどこにもいないなんて、信じられるはずがない。
「マジかよ……。何で」
蓮も動揺しながら視線を彷徨わせた。
うららを餌に冬真が待ち構えていたのかもしれない。
────恐らくは、その“祈祷師”とやらにやられてしまったということなのだろう。
「うららは?」
『あいつは生きてる。たぶん、また冬真に術かけられてると思うけど』
「な、何があったのかな……」
小春の声は弱々しく溶けた。
琴音の身に何があったというのだろう。
『……桐生さん』
ふと、大雅はうららからテレパシーで呼びかけられる。
「うらら! おまえ────」
『わたくしのせいで瀬名さんが殺されてしまった。わたくしのせいで……』
「おい、落ち着け。何があったか見てたのか?」
彼女の声は震えていた。
声を直接発してはいないはずだけれど、よほどのことがあったにちがいない。
『最期を直接見たわけではありませんの。わたくし、あのあと再び術にかけられてしまって……。発言しないこと、一定の距離を置いてついていくことを命じられましたわ。それで、突然あの場に祈祷師という男が現れて』
要領を得ないながら、必死で言葉を紡いだ。
テレパシーさえ禁じられる前に、起きたことをできるだけ詳しく伝えておきたかった。
『瀬名さんは何とか旧校舎内に逃げたのだけれど……。でも、そのあと聞こえましたの。銃みたいな音や“死体”なんていう言葉が』
やはり、琴音に直接手を下したのは祈祷師だ。
冬真と手を組んだ彼が琴音を殺したのだろう。



