ウィザードゲーム〜異能バトルロワイヤル〜

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 大雅は小春たちとテレパシーを繋ぎ、琴音の言葉を伝えた。

 “祈祷師”という、新たな敵の可能性。それから────。

『琴音の意識が途切れた。……殺されたんだと思う』

 感情を押し殺し、事実だけを伝えた。

 にわかには信じがたいものの、繋いでいたテレパシーへの反応が消えてしまったのだ。
 それの意味するところは、すなわち死。

「うそ……」

 掠れた声がこぼれ落ちる。

 つい先ほどまでここで話していた琴音が、いまはもうこの世のどこにもいないなんて、信じられるはずがない。

「マジかよ……。何で」

 蓮も動揺しながら視線を彷徨わせた。

 うららを餌に冬真が待ち構えていたのかもしれない。

 ────恐らくは、その“祈祷師”とやらにやられてしまったということなのだろう。

「うららは?」

『あいつは生きてる。たぶん、また冬真に術かけられてると思うけど』

「な、何があったのかな……」

 小春の声は弱々しく溶けた。
 琴音の身に何があったというのだろう。

『……桐生さん』

 ふと、大雅はうららからテレパシーで呼びかけられる。

「うらら! おまえ────」

『わたくしのせいで瀬名さんが殺されてしまった。わたくしのせいで……』

「おい、落ち着け。何があったか見てたのか?」

 彼女の声は震えていた。
 声を直接発してはいないはずだけれど、よほどのことがあったにちがいない。

『最期を直接見たわけではありませんの。わたくし、あのあと再び術にかけられてしまって……。発言しないこと、一定の距離を置いてついていくことを命じられましたわ。それで、突然あの場に祈祷師という男が現れて』

 要領を得ないながら、必死で言葉を紡いだ。

 テレパシーさえ禁じられる前に、起きたことをできるだけ詳しく伝えておきたかった。

『瀬名さんは何とか旧校舎内に逃げたのだけれど……。でも、そのあと聞こえましたの。銃みたいな音や“死体”なんていう言葉が』

 やはり、琴音に直接手を下したのは祈祷師だ。
 冬真と手を組んだ彼が琴音を殺したのだろう。