略奪女子ネット村

カレとの終わり、そして始まり/ブーメラン




それはたった一言で終わった


「だから、首太いの、受け付けなくなったっての。NGだわ、お前全体で」


マユリはもう足元から力が抜け、ヘナヘナとあの思い入れのある、4階北西階段の踊り場に崩れ落ちた


”あれから半年しか経ってないのに!裏切り者ー!”







アサミとの”例の場所”は、東南側4階の階段の踊り場だった…


「そう…。じゃあ、私の体で…。うふっ…。まだ最初の10間の5日目よ。ちょっと、早すぎっしょ。マユリん時は2回目の10日間最終日だってのにねー…」


「あのウサギは何とか持ってったってとこだよ、最後で。太い首思い浮かべて。それに比べりゃ、アサミはどこ想像しても果てられる。あと15日、タップリ楽しませてもらうわ」


「スケベ!」


「何とでも言え。でもよう、マユリ、お前に気付いてるわ。リベンジ、気を付けた方がいいぜ」


「ちょっとー、他人事みたいに言うなって。そっちが話持ちかけてきたんだから、ちゃんとガードしなさいよ!」


「OKだ」


と…、口では安請け合いしていたが、”ジェット”ヒサシの心の声は「テキトーにやっとく!」だった







”アサミは絶対に許さない!!!…もう最高オプションつけてリベンジプラン見舞ってやるー!”


”とはいえ…、お金いくらあってもたんないや~。南原のリベンジ・バスターは念じ型どころか、バージョンいくら上げても効きやしないだもん、あの化け物め!”


半年前、見事に略奪女子の祈願成就に達したマユリは、排除した女と排除された女への、復讐防御と復讐実行の対策に追われていた



既に、ん十万円を費やし、掛け持ちのバイト代では追い付かなくなっていたのだ






「んー?なんだ…、この”略女サイト”の広告バナーは…」


そこにはこんなキャッチが踊っていた


”再チャレンジ費用はこれでバッチリ!祈願達成の略女は優遇!自給○○円~、送迎万全対応します…”


”カシャ!”


マユリはフーゾクの求人広告とは知らず、パソコン画面をスマホで画像保存するのだった…






略奪女子ネット村 

 ー完ー