略奪女子ネット村

想定外の衝撃/再び二人っきりで





マユリとヒサシの耳には、他の室でのカラオケに興じる楽しそうな歌声が、途切れることなく届いていた


マユリとヒサシはじっと目線を交わし、しばらく黙っていた


先に口を開いたのはヒサシの方だった


「お前、大丈夫か?」


相変わらずぶっきらぼうだが、この言葉はマユリの胸に響いた


涙腺も緩みかけた


しかし、ここでマユリは泣く事を必死に凌いだ


”泣いてる場合じゃない。これからだ…”


マユリは自分にそう言い聞かせていたのだ







「ねねは、そそるいい女だが、まあ、今後は今まで通りとはいかねーだろ。見ての通りだ。三角関係ってとこだよな。でも、オレ的には何のことはない。別に明日だって、いつも通り6人でやれるよ。フツーにな。連中が拒まきゃ、オレは全く問題なしだし」


「野上君ってドライだね。それに強い。自分をしっかり持ってる」


「…それでだ。お前にはしんどい思いさせたけど、さっきのがそのまんまだから。ねねはお前に当たってくるだろうが、お前もそれは覚悟の上だろからな。…じゃあ、”例のこと”はっきりさせとこうや」


「うん…」


例のこと…


そう、二人にとって2回目の最終日は、大ラスは今夜に迫ったのだ


”このあと”は二人で決めなくてはならない