略奪女子ネット村

想定外の衝撃/お開き




ヒサシとシゲトが戻って来た


「…お待たせ―。ねね、ハナシは着いたからよう」


「ふん、何よ、男が席外してこそこそと」


「シゲトからは今、お前らの”馴初め”聞いたよ。別に何とも思わなかったわ。でも、オレが感づいてたより、早かったな、お前らがくっつくの」


「拘束なしってそう言うことじゃん。ヒサシ、今この子に言っといたわ。あなた達がどんな関係になろうが関知しないわ。でも、身の程もわきまえないこの子を私は許さない。それも拘束なしでいいわね?」


「ああ、いい。だが、みっともねーわ。帰ったら鏡でよく顔見てみろ。魔女さながらだぜ」


「大きなお世話!大体ねえ…」


ここでシゲトがねねを遮って、言葉を挟んできた


「まあ、まあ…、ねね。今日はよう、これで引き揚げようぜ。ジェットは久保田と申し合わせがあるらしいからよ」







憮然とした表情のねねは手元のセカンドバッグを手にすると、すっくと立ち上がり、そのまま無言でさっさと室を後にした


それは文字通り、後ろ足で砂を蹴るようだった


その後すぐ、シゲトがヘラヘラ顔でヒサシに会釈してそそくさと”彼女”の後を追った


かくて、ルーム内はマユリとヒサシの二人となった


それは一曲も歌わずのお開きを意味していた