略奪女子ネット村

決意/ときめき




「ただいま総菜パン、全品20%引きで~す!いかかでしょうかー!」


スーパーのパン屋”レフィン”の店頭では、マユリのクリーミーな声が夕方のにぎわう店内に響いている


何しろ今日はバイト代の支給日だ


いつも以上にマユリの声は弾んでいた






「はい、久保田さん。ご苦労でした!」


”うれし~”


今回のバイト代は特にうれしかった


使い道がしっかり決まってて、今回で概ね予算が確保できたからだ


”いよいよ、アレに使う時が巡ってきたんだ…、やってやる!”


マユリはチャリをかっ飛ばし、自宅へ急いだ







夕食後、自分の部屋の机にパソコンを広げたマユリは大きく深呼吸して、まず自分の心に誓いを立てた


”略奪祈願、決意しました!”


まなじりを決した凛々しい顔つきの高1の恋する乙女、マユリ…


アクセスしたサイトは既にプラチナ・メンバーに登録されている、あそこ…


”略奪女子ネット村”…


だった…






「まあ、今日は恥ずかしかったけど、彼の素敵な本性を目の当たりにして、本気で好きになっちゃった…。これは5年玉がもたらしてくれた千載一遇のチャンスよ!」


決して小さくない声で自分に言い聞かせながら、マユリはギラギラの目でサイトにログインを完了した


「この日の為に、願掛け予備グッズは欠かさずにマニュアル通り使ってきたからね。いよいよ、バイトで貯めたお金で本祈願グッズを購入する…」


マユリの決意はホンモノだった