少女の修羅場/カラオケボックス





家からさほど離れていないカラオケボックスKにマユリが到着すると、すでに6人はいた


彼女が来ることを、ヒサシはここに着いて皆に告げていた


マユリが室内に入ると、場は絵にかいたようなバツの悪さと重苦しいピリピリした空気が充満していた


マユリはミハルの隣の一番端に座り、ヒサシは向かって斜め右…


このポジショニングは、あのサイペ授業の時と同じだった







誰も歌おうとしない個室で、最初に口を開いたのはA男だった


「あっ、先輩からラインで呼び出しだ。既読しちゃったし、スルー無理だ。わりー、今日は外れるわ」


A男はまるで逃げ出すかのように、そそくさと室から去って行った


すると、そのあとせきを切ったかのようにB男、ミハルと続き、皆わざとらしい”ライン作戦”で撤収していった


お通夜のようなカラオケパーティーは、あっという間にマユリとヒサシ、南原ねね、そして赤宮シゲトの4人だけとなった