「で、デートの邪魔を、してしまい……な、なんとお詫びを…っ」


(もうこれ以上迷惑をかけないように、すぐに退散しよう……そうだ、これから助けてもらったお礼の品を買いに…)


「…えっ!?」


「あ…?」


ブツブツと頭の中でひとりごとを唱えていると、頭上から驚いた声が聞こえた。


「え、?」


下げていた頭を上げれば、同時に二人の目が大きく見開いている。間近な美男美女の迫力はものすごい。
1日に摂取していい輝きの量を超えている。


「違う違うっ!私、仁の姉の一華です」


「っ!?、お、お姉さんっ?」


「そう。しかも8個も上だから、こう見えて」


「こう見えてって何〜っ、ババアって言いたいの〜〜?」


「揺らすな」


(仲良し姉弟…?恋人じゃ、なかったんだ……)


言われてみれば、綺麗な顔もただならぬオーラもどこか似ている気がする。


夕凪くんと、一華さん。


二人が恋人ではなかったことに、どこかホッとしてしまう自分と、夕凪くんのお姉さんを目の前にして今更ドッと緊張してくる自分で忙しい。