「えっと…、夕凪くんは……」


「…探してた、カメコのこと」


「っ!?ど、どうして……っ、あ、まさか夕凪くん、ち、遅刻を!?」


そう言って大慌てなカメコの考えてることは、大体予想がついた。


俺が朝学校に遅刻して、カメコに怒りに来たとでも思ってるんだろうが……


「……良かった…、無事で」


「…っ?」


左手で顔を抑え、ハーッと胸に溜めていた呼吸を外に吐き出す。


その瞬間スマホから再度ブブッと振動がして、右京から不審者が捕まったとメッセージが届いた。


「カメコ。聞きたいことあるし、話す時間欲しいんだけど」


「え……あ、はいっ」


「店とかじゃ目立つから、そこの裏手の公園でいいか?」


カメコはコクコクと頷くと、俺の後ろをゆっくりついてくる。
それがなんとも言えず、カメコの歩幅に合わせるように俺はスピードを緩めた。