「ゆ、夕凪くん……?」


後ろから聞こえた声に、バッ、と振り返る。


「…いた…………」


その姿を見たと同時に、安心からか力が抜け、地面にしゃがみ込む。
全身脱力したりとか…ほんと、何なんだよ……


「え、……えっ…?」


顔を見らずとも困惑しているのが声でわかった。


「だ、だいじょうぶ、ですかっ!?」


近くまで走ってきたカメコを見上げれば、オロオロしてどうしていいのかわからない様子。
思わず笑いが込み上げた。


「今までどこいた?スマホ、かけたんだけど……」


「へっ!?」


カメコは驚いて、急いでスマホを鞄から取り出している。


「ご、ごめんなさいっ……気づかなくて!図書館で勉強を……」


図書館……そうか、盲点だったわ。