箱に入ったイヤーカフを若干震える手で取り、私が同じものを貰う前に彼がつけていた部分につける。


「力もっと入れていい」


と言われたので、痛くない程度にぎゅっと押した。


そして落ちないことを確認すると、そのまま少し背伸びをして、彼の頬にそっと自分の唇をあてる。
夕凪くんに比べると、私のキスはどこにするのもヘタだけど。


「夕凪くん……大好き」


笑顔で想いを告げた瞬間、ぐっと腰を引き寄せられて、体と体がくっついた。


「はぁ……俺の彼女がかわいすぎる……」


そんな甘い言葉を浴びてぎゅっと抱きしめられる私の体は、彼からの愛情を存分に受け取りながら、これから先も幸せに慣らされていくのだろう。




おしまい