「や、そうじゃなくて。高いの無理して買わなくていいって言いてんだけど……まあでも、すげぇ嬉しい。サンキューな」


そう言って夕凪くんにポンっと頭を触られて、私のほうが嬉しくなった。


「あの……夕凪くんの耳に、つけてみてもいい?私にしてくれたみたいに」


「…………くっ、」


突然、口を片手で抑えて下を向く夕凪くんに慌てる。


「ど、どうかした!?まさか、どこか具合悪いっ?」


「こんの、無自覚美少女め……」


そう顔をあげた彼の顔は真っ赤になっていた。
それが感染るように私の体が熱を帯びていく。


「ほんと自分がどんだけ可愛いかわかってくんない?」


「……っ!」


すると夕凪くんは、「はい、どうぞ」と何事もなかったかのように耳を私のほうに向け体を傾けた。