「無理じゃ、ないです……こんな、一喜一憂してごちゃごちゃうるさくて、ごめんなさい……」
「一喜一憂してたのは知らなかった……てかそれ謝ることじゃないし、俺のことで頭いっぱいって証拠だろ?嬉しんだけど?」
「めんどくさく、ありませんか…?色々、慣れてなくて……」
夕凪くんからしたら、いちいちこんなことで騒ぎ立てられてめんどくさいはずだ。
もっと余裕があって何でも器用にできたら良かったと、ないものねだりをしてしまう。
いつだって彼は、私にあるものを認めてくれるのに……。
夕凪くんは私の握った手を繋ぎ直すと、ドスっと隣に座る。そして俯く私を覗き込んだ。
「なち。慣れてないのは俺も同じだって」
その優しい声色に涙が出そうになった。
こういうところも好きで好きでしょうがない。