母親と同じ末路になるかもしれないという恐怖は拭えないけど……あいつと一緒なら、不思議と違う未来が想像できるんだ……こわくたって大丈夫だと、思えるんだ。


視線を感じて見渡せば、ヒデと陸が満面の笑みでニヤニヤしていた。
ゲンの体勢は顎に手を添え考える仕草になっている。
そして湊人が微笑みながら最初に口を開いた。


「仁がやりたいようにやればいいんじゃないかな」


「つーか、気づくのおっせーんだよ」


と、ヒデが言う。


「仁ちゃん。僕たちさ、待ってたよ。自分の気持ち言ってくれるの」


そう陸が続けた。


「いつだって僕たちのことに対しては必死に戦ってくれるのに、自分のことに対しては助けてって言わないよね。もっと信じてくれてもいいのにな〜って思ってた」


「……っ」


「相談してくれて嬉しい…!」


自分の気持ちや話を喋り慣れていないのは俺も同じだった。
それでいて、俺の中で整理が着くまでこいつらは待っててくれたのかと思う。