両親が離婚して時が流れた中学の頃。
今日と同じように金を求めてきた。手元に金はあるのにまだ欲しがる依存症だ。頭がイカれてることはわかっていた。


それでもまだ血の繋がりで縛ってくる母の存在に、俺は我慢できず全て吐き出してしまった。


『愛せないなら産まなきゃよかっただろっ!』
『こんなことなら生まれてこないほうが幸せだった!』


すると母は、『そう…死ねっていうことね』と、キッチンから包丁を取り出してきて自分に向ける。


『死んでやる!死んでやるわよ!仁は私に死んでほしいんでしょう!?』


おぞましかった。
自分のせいで母が自死するかもしれない。それは俺の精神をぶち壊すのには十分だった。


自分の母親にいつまで経っても付き纏われる自分の人生に嫌気がさした俺は、真面目に生きることを放棄した。
いつ死んでもいいと思いながら、人を殴って憂さ晴らしした。


今思い返しても最悪な毎日で。
あの頃右京に拾われなければ、今もどうなっていたかわからない。