私はそぉ〜っと恐る恐る右手を彼の背中に回し、少しでも震えが落ち着くようにさすった。
そして少しして夕凪くんは腕の力を緩めると、私を静かに見下ろす。
「夕凪くん……私にできることはありますか…?」
彼の整った顔がすぐ近くにある。
その綺麗な目は、無言で私を見据えている。
「メガネ、邪魔」
すると今度はたちまち眼鏡が外され、夕凪くんの手が私の頬を包み込む。
「……ゆっ、?」
目と鼻の先まで顔が近づいたかと思えば、夕凪くんが驚いたようにピタッ、と止まる。
「…………っぶね〜〜……吸い寄せられてたわ」
「……?」
夕凪くんが腕で頭を抱えている中、一華さんが戻ってきた。